財務を教えるようになって気が付いたこと

大学生に財務を教えるようになって20年くらいは経つ。そもそも私は財務のプロではなかったし、好きでもなかった。でも、必要に迫られて、30代で初めて簿記を学び、日商簿記3級、2級の資格を取り、証券アナリストの資格も取った。その後は50代になる前にMBAでファイナンスも勉強したが、財務だけで身を立てているわけでもない。

財務を教える機会が長くなり、いろんな方々にお話しするようになって気が付くことがある。例えば、大学生にある企業の決算短信からROEの計算をさせても、ほぼ100%間違う。未上場の経営者にいきなりROEの話すと案外通じることも多い。会社員の方で企画の方々はROIC逆ツリーなど最近のはやりの指標は非常に詳しい。

思うに、財務という分野は知っている方と知らない方の理解の格差が大きいような気がする。今は、非財務情報開示の時代だが、非財務情報は未財務情報でやがて財務化する。もっと言うと、環境関連の新たな勘定科目すら登場する勢いだ。個人的には財務を知っていてよかったと思う。でも、財務分析の前に仕訳を知っておいた方がよい。そのためには自分の会社や自身の個人の仕訳をやってみることだ。freeeやMoneyforwardだって、仕訳を十分理解していた方が使いこなせる。仕訳がわかると経理の業務がわかるし、結果、財務諸表が分析できると思うのだが。